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書評

【書評】ぼくがいま、死について思うこと(椎名誠著)の感想・レビュー

投稿日:2017年11月19日 更新日:

こんにちは、トロントでWebデベロッパーとして働いているハリーです。

普段全くと言っていいほど活字は読まないのですけど、先日入院した際に友人が暇つぶしにと本を持ってきてくれたのでレビューでも書きたいと思います。

それがこちら、椎名誠さんの「ぼくがいま、死について思うこと」。

入院患者への差し入れにこの本をチョイスする友人のセンスに脱帽です!笑

椎名さんは若い頃冒険家として世界を旅した方。世界中の死者の送り方を紹介しながら、死について考えるエッセイです。

親近感のあるおどろおどろしさ

だれでも最後は死ぬわけですから「死」というテーマに興味のない人はいないでしょう。

だけどだれも経験したことのないことですから、とっかかりやすいが理解しにくいテーマでもありますよね。

エッセイの中では今まで椎名さんが経験された様々な国での葬式の様子が紹介されています。

それを見て思ったのは、「死の捉え方」は国や地域によって全くバラバラであること。

簡単に言うと、例えば暑い地域と寒い地域によって捉え方が異なること。

人は平等に死んでいくのに、「死」が気候や生活環境によって全く違った意味を持つのが興味深いですね。

印象的だったのはチベットの鳥葬とインドの水葬

衝撃的だったのはこちらの二つ。

まずはチベットの鳥葬。つまり遺体をハゲワシなんかに食べさせる方法です。

遺体を山に運ぶと儀式にのっとって、鳥が死体を食べやすいようにバラバラに切断して岩肌にばらまきます。

死者を自然に還すという意味があるようです。日本のように木材が潤沢ではないので火葬できないという側面もあります。

自然に還すといえば聞こえはいいですが…実際の現場はバラバラ殺人事件の殺害現場と変わらないですよね、きっと。

二つ目はインドの水槽。

ガンジス河は免疫のない私達一般の日本人にとっては細菌のプールのようなもの、と書かれていますがそれもそのはず。

遺体が流れてくる横でおじいさんが河の水を飲んだりしてます。

河そのものが神、という扱いなので死体=不浄とは思わないのでしょうがこれも私達からすると衝撃ですよね。

祖父の不思議な葬式

思えば日本の葬式もおかしなとところがあったりします。

僕の祖父は約10年前に亡くなったのですが、当時とっても流行っていた歌が「千の風になって」。

葬儀では歌詞カードが配られ、カラオケに合わせて参列者全員で合唱する時間がありました。

この合唱はどの葬儀でもやっているのかと葬儀場の方に聞いてみましたが、「えぇ、今の流行りですから」と言われました。

さっきまでしんみりお焼香してたかと思うと立ち上がって歌い始めるわけですから、不謹慎ながら奇妙な面白さがこみ上げてきたのを覚えています。

70代は死について真剣に考えることがない?

子供の頃、死について考える時、漠然とした不安を感じて怖かった経験ありませんか?

それが徐々に年齢を重ねるうちに身内や友人の死を経験して、だんだんと身近なものに変わっていきますよね。

70代後半で亡くなった僕の祖母は亡くなる直前、「あの世で両親に会えると思うと、死ぬのは全然怖くない」と言っていました。

つまり70代前半ともなれば死について、何かとっくに悟りのようなものを持っていてあとは来るべき日を待つだけ、というのが多くの人の感覚ではないかと思ってました。

ところが椎名さんは「あなたは今まで一度も死について真剣に考えたことがないでしょう」と友人に言われたことをきっかけにこの本を書き始めています。

体が丈夫で精力的に生きている珍しいタイプの人ではないかと思いましたがどうでしょうか?

それとも今の70代というのは一昔前の70代と比べるとずいぶん若いので、まだまだ死が身近ではないだけということでしょうか?

長崎の爆心地に眠る遺体

エッセイを読んでいてふと思ったのが、長崎の原爆の爆心地に未だに眠っている多くの遺骨のことです。

爆心地は現在埋め立てられて公園として整備されています。

椎名さんもおっしゃっていますが、日本人は墓というものを作って納骨し、死者を何代にもわたって供養する世界的に珍しい人種です。

鳥葬、風葬、水葬など、自然に還すタイプの文化ではありません。

費用の問題などで掘り起こすのが難しいのでしょうし、掘り起こしたとしてもどの遺骨が誰だか分からないでしょうが、犠牲者を供養するためにはやはり遺骨を全て回収すべきではないでしょうか。

まとめ

いずれにしても死者を送る儀式の裏には、死者というよりもむしろ残された人々の為に行われるものという意味があります。

死者をどのように送るのかということが、自分の死をどう捉えるのかに繋がるようです。

個人的には椎名さん自身の死生観についてもう少し掘り下げて頂きたかったかなと思いました。

この本とこの本を紹介してくれた友人に感謝。







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