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働き方

[北米の働き方]ワークライフバランス改革のヒントはカナダにあった

投稿日:2017年8月4日 更新日:

こんにちは。トロントでWebデベロッパーとして働いているHarryです。

約2年前のこと。新卒で入社してから7年間働いた会社を辞めてカナダへ留学しました。30歳で会社を辞めるのはとても大きな決断で不安もありましたが、今ではその決断は間違いではなかったと思っています。

実際にカナダで働いてみて分かったことがたくさんあります。日本に住んでいた時は知らなかった働き方を知ることができたのがそのひとつですね。

想像できると思いますが、カナダ人の働き方と日本人の働き方には大きな差があります。私が知っているのはWebデベロッパーに限った話ではありますがシェアしたいと思います。

短時間労働なのは給料がいいから

まず残業時間が日本と比べてかなり短いです。

もちろん残業する日はあります。私の場合、今まさに月末の株主総会の準備でバタバタです。ですがここ半年、19時以降働いたことがありません。給料は決して高い方ではありませんが、それでも生活するには十分余裕があります。

日本の給料は本当に低いですよね。

もちろん職種、会社、地域などによりますが、関東の中小企業の場合、新卒の初任給は手取りで20万前後、保険などが控除されて手取り16万、奨学金の返済や家賃にあてると残りの生活費はほんのわずか…こんな感じで生活のために残業せざるをえないって人、多いんじゃないでしょうか。年齢が上がって少し昇給したとしても、結婚して子供ができれば支出が多くなるので結局は残業しないとやっていけない…

これに比べて、カナダはエンジニアだけでなく専門職全般の給料が日本と比べてとても高いです。

Webデベロッパーで比較してみましょう。


Dudaによると、日本の平均年収は330万円。


PayScale

それに対してカナダは50,465カナダドル(2017年8月現在のレートで約433万円)。超カナダドル安の今でさえこの差です。

そしてこれ、単純に年収の比較であって労働時間は考慮されてません。おそらく日本人の労働時間の方がはるかに長いでしょう。日本人はカナダ人よりもはるかに長時間働いているのに給料は4分の3くらいなんですね。

日本人はまじめだからよく働くのではありません。給料が安いから長時間働かざるをえない。

専門的に学んだ人が専門職に就く

ではなぜ短時間労働でやっていけるのでしょうか?

それは単純に短時間労働でも稼げるからです。なぜ稼げるかというと、ちゃんと社員に技術力があって、質の高い製品を作り出せるから。(あとは日本よりも3倍近い大きい、北米というマーケットで勝負しているから)

日本の場合、プログラマは基本的に使い捨てです。

IT業界は激務なので、若い人材が次々に辞めていきます。慢性的なIT労働者不足なのです。そのため技術力は二の次で、まずは人材を確保します。数年経ったら半分近くが辞めていくことを考慮して、あらかじめ新卒を安く大量に雇うわけですね。文系出身でもなんでもいいわけです。

そして社内で数か月研修して、ある程度使えるようになったらOJTという形で現場に投入します。そこからは肉体的にボロボロになるまで搾取します。うつ病など精神的な病で仕事を辞めていく人も少なくありません。

プロジェクトを成功に導いた人が勝ち、ではなく最後まで立っていられた人が勝ち。非人間的な労働環境にも耐えられる体力がある人が重宝されます。

現場はそんな感じなので、当然いい製品は出来上がりにくいです。

できあがるのはスパゲッティコードばかりでメンテナンス不可能(めちゃくちゃな構造で、整理されていないプログラムのこと。行き当たりばったりでプログラムを作るとこうなる)たった数ヶ月、付け焼刃のプログラミングスキルで作ればこうなるのは目に見えています。

ちなみに、これって日本のIT業界の構造的な問題であって、担当プログラマ自身の責任ではないと思うのですが、現場では何か問題が起こると担当プログラマの責任になります。責任を感じて、がむしゃらに働いて倒れていく人をどれだけ見送ったことか…

きちんと大学でプログラミングの勉強をした人が作ればいいのでしょうが、現場では実際にはそういう人はプログラムを書きません。多くがSIerといって、コンサルティングがメインの会社に就職していくので、企画・設計はやっても製造は外部に委託する。

一方カナダのIT業界では、スキルは身につけてから就職するもの。素人を育てるという概念がないので、専門的な教育を受けていない人が専門職につくことはまずありません。

コンピューターや数学の専門的な知識がある人が集まって、ちゃんと動くものを企画・設計し製造します。その結果ちゃんと動く製品が出来上がるのです。よってデスマーチにならない→長時間労働が回避されるわけです。

定時過ぎたら即帰宅

個人主義が基本のカナダではプライベートと仕事をきっちり分けます。

ダラダラ残業したあと上司と飲みにいく…なんて考えられません。定時になるとスパっと切り上げて家に帰ります。そうして家族と過ごす時間を確保します。

言われなくても分かってるよ!って感じでしょうが、日本の働き方は多産に見えて実は生産性はとても低いです。毎日終電まで働いているのに、生産性が高いわけがない。実際に毎日17時に仕事を終える生活をしていて心底、生産性が上がったと感じます。

遅くまで頑張って働くことが美化される風潮がありますよね。悪く言えば自分に酔っているのだと思います。「自分、こんなに遅くまでよく頑張ってるなー」っていう妄想です。これって本当に危険だと思います。

まとめ
カナダでは専門職の給料が高いので無理に残業をする必要がない。そして専門的な教育を受けた人が集まって質の高い製品を作ることで問題の発生率をおさえ、長時間労働を回避している。給料がいいから短時間労働で済む→短時間労働で済むから生産性が上がる→生産性が上がるから給料が上がる。という好循環ですね。

しかしその2点は日本のIT業界で働いている限り、残念だがどうしようもない。

改善できる点といえばプライベートと仕事をきっちり分けることくらい。ひとまず、役員以外だれも行きたがらない反強制社員旅行とかくだらない飲み会を廃止すべきで、若手労働者にせめて睡眠時間を十分与えてあげることが重要だと思う。







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